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執筆者の写真Naomi Hosoda

サウンドホールカバーのススメ

アコルデでライブをされる方は、割合的にはアコースティックギター(以下アコギ)で弾き語りと言う方が一番多いのですが、そんなアコギをステージで使われる場合に、PAオペレーターとして一番悩まされるのが、アコギのハウリングです。


アコギやエレアコはメーカーや機種によって、様々な形式のピックアップを使っていて、そのピックアップの形式によって、ハウリングし易かったり、しにくかったりの違いがあります。あと、ボディー形状、ボディーの鳴りによっても変わってきます。


アコギでもハウリングしにくいものとして、アコルデにも置いてあるGODIN などのソリッドボディーのギターや、ヤマハのサイレントギターのようにボディーが骨だけで出来ているものもありますが、アコルデでアコギの演奏をされる方の多くは、ボディーが箱状になっていて、アンプを通さなくても生音がちゃんと鳴るものに、ピックアップがついたもの(後付けも含めて)を使われる方が多いです。


最初からエレアコとして売られているギターには、ピエゾタイプか、コンデンサーマイクか、その両方がついているもののどれかだと思います。ピエゾはハウリングには比較的強く、クリアなサウンドですが、空気感がなく生音とはかけ離れたサウンドになりがちです。一方コンデンサータイプは自然な箱鳴りを表現出来ますが、とてもハウリングに弱いタイプになります。一番ハウリングに強いのはマグネットタイプで、これはエレキギターのようなピックアップをサウンドホール付近に取り付けたタイプで、ギブソンのJ-160Eなどもこれにあたりますが、ピックアップの出力も大きく、エレキギターのように電池不要で使えます。


私が使っているアストリアスのアコギはL.R.BaggsのLyricと言う(たぶんコンデンサータイプ)ピックアップを使っているのですが、自然な空気感でマイク録りに近いサウンドがするのですが、非常にハウリングに弱いタイプになります。


(アストリアス+Lyric)


一方、店に置いてあるエレガットのGODINはソリッドボディーでピエゾタイプと言うことで、ハウリングとは無縁ですが、ピエゾ独特のサウンドで、イコライジングや空間系エフェクターが必須になります。


(Godinのエレガット~ぱっと見エレキにしか見えませんが、クラシックギターと同じガットギターです。)


店置きのエレアコは他に2台とエレガットが1台あるのですが、Martinezのエレガットはピエゾとコンデンサーのミックスタイプで、サウンドホールが特殊な形状、プラス薄胴と言うことで、ハウリング対策されていますが、コンデンサーマイクの割合を増やすとハウリングし易くなります。


(Martinezのエレガット)

ヤマハはA.R.T.と呼ばれるデュアルマイクシステムで若干ハウリング対策されている感じです。エピフォンは多分コンデンサーでハウリングには非常に弱いタイプです。


(ヤマハのエレガット)


さて、ボディーやピックアップがハウリングしにくいタイプはそのまま使えて良いのですが、普通に丸いサウンドホールがボディーに開いているタイプの、「普通のアコギ」はボリュームを上げていくと、大なり小なりハウリングはしますので、店に置いてあるこれらのアコギにはサンドホールにゴム製のカバーをつけています。


「効果は絶大!」です。


アコルデを含め、演者の足元にモニタースピーカーを置いているようなライブ会場で演奏する時は、絶対これを使って欲しいと思います。


何故なら。。。<サウンドホールカバーのメリット>


1音量を上げても.ハウリングしにくい

 ギターの音量を上げられると言うことは、きちんとボーカルとのバランスを取れると言うことになります。ギター上げられないので、ボーカル絞ると言うことは普通はしませんので、EQだったり、返しの調整だったりで、無理クリ調整せざるを得なくなります。


2.イコライジングで低音を削らなくても良くなる

 ハウリングする=>ハウリングする周波数をEQで削る、さらに低音はバッサリ切り捨てる。と言うハウリング対策の作業をすると、ギターの音が不自然に痩せた音になりがちですが、低音のふくよかさも削らず、より自然で迫力のあるギターサウンドに調整出来るようになります。


3.モニターの返し音量を上げられる

 ギターのハウリング対策で、一番演者に近いモニターの返し音量を下げることになったりするのですが、カバーをすることで、返しの音量を上げられるようになるので、演奏し易い環境でプレイすることが可能になります。


サンドホールカバーは、切り欠きの無いタイプなら千円程度で売られています。費用対効果は抜群です。

こんな風に、良いことずくめのサンドホールカバーですが、サウンドホールの縁にコントロールがあるタイプには、カバーに切り欠きがないと使えないので、このタイプのギターをお使いの方は、切り欠きのあるタイプのものをお使いください。私のアコギ(アストリアス)もLyricを後付けしていて、コントロールがサンドホールの縁に貼り付けていますので、切り欠きのタイプを使っています。


ちなみに切り欠きのあるのはこの商品です(サウンドホールの直径が97mm〜102mm用しかありません)


また、ヤマハなどは音叉マークの入った純正品も販売しています。いずれにしてもお持ちのギターのサンドホールの直径を測ってからご購入ください。いずれも千円前後です。


ちなみにデメリットは生音で低音が出なくなりますが、ゴムカバーは簡単に外れますので、生で弾きたい時は外せば良いだけなので、デメリットにもなりません。


こんな風にメリットばかりのサンドホールカバー、皆さんもライブの時は是非お使いください!



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